超絶軽量LinuxをUSBメモリブートさせる

超絶軽量LinuxUSBメモリブートさせる



はじめに

USBメモリに自分のOS環境を入れておけば、大学やネットカフェなどでも自分の環境を使えて便利。

自分のPCであっても、いざというときの回復用としても使えるし、VirtualBoxなどを使った仮想化ではなくネイティブで動かせるのでサクサク動きます。

ということで、そういうUSBメモリブートのOSを1つ持っていると便利かなと思い作ってみました。


どのディストリビューションにするか

USBメモリに入るサイズとなるとおのずと選択肢が限られてくる。

色々調べて候補として挙げたのが下記2つ。


Xubuntu

Ubuntu系の軽量LinuxGUIXfceを使っており、基本的な機能はひととおり持ちながらもGUIもサクサク動く。

ただ、インストール容量が8GBちょっとで、使おうとしていたUSBメモリが8GBだったのでインストールできず、今回はパス。


Puppy Linux

主用途としてUSBメモリブートもターゲットに入っているようで、非常にコンパクト。だいたい500MB台でインストールできます。動作も異常に速い。


FossapupとかBionicpupなどいくつかバージョンがあって、どれを選ぶべきか困った。

基本的にはベースとしているディストリビューションごとに名前がついているので、2021/1時点では、Ubuntu 20.04(Focal Fossa)とバイナリ互換であるFossapup64 9.5を使うことにした。

Ubuntu 18.04ベースのものがよければ、Bionicpup 8.0となる。

Raspberry piにインストールするなら、ラズパイ用のRaspupの最新バージョンがよいよう。

Slackwareベースのバージョンもある。


Wikipediaにまとまっておりこれが一番参考になった。

https://ja.wikipedia.org/wiki/Puppy_Linux#%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3_5_%E4%BB%A5%E9%99%8D


そして、ダウンロードはこちらから。

http://puppylinux.com/index.html#download


日本語化パッケージはこちらにあり。

http://sakurapup.browserloadofcoolness.com/viewtopic.php?f=26&t=3490


Puppy Linuxの特徴

軽量・ファイルサイズが小さいのはもちろん、普通のディストリビューションとちょっと違った特徴がある。


インストールが不要

インストールイメージからそのままOSを起動できる(いわゆるLive CD)。

逆に、OS上での設定や作ったデータは、OS終了時にまとめてUSBメモリに保存するというスタイルとなる。

HDDなどのストレージはなくても動く。


システムデータがメモリ上に展開される

システムのデータは、都度ディスクからデータを読むのではなく、すべてメモリ上に展開される。

そのため、すさまじく高速に動く。


お試し動作させてみる

Live CDであることから、VirtualBoxでisoファイルのみを接続して起動することができる。

まずは使ってみましょう。


1つだけつまずいたのが、ブート時にapicエラーが出ること。

ただ、対処法が画面に出ていたので、それに従ってブートオプションに「noapic」を追加してブートすれば起動できた


具体的な手順は以下。

  1. Puppyのブートメニューが出たら、eを押してエディットモードに入る。
  2. ブートパラメータの画面でeを押してパラメタを編集する。
  3. すでに2つパラメータが書かれているため、それらの前に「noapic」を追加。
  4. bを押してOSをブート。


USBメモリに書きこむ

OSのイメージ自体がブータブルなため、そのままUSBにデータをコピーしてブータブルにすればOK。


  1. 起動可能なUSBメモリを作るツール Rufusをダウンロード

    https://rufus.ie/

  2. 以下のオプションを選択

    • バイス:書きこみたいUSBメモリバイスを選択
    • ブートの種類:ディスクまたはISOイメージ
    • 右側の選択ボタン:ISOイメージを指定
    • ファイルシステム:FATが選択されたのでそのままに
    • 他はデフォルトのまま
  3. スタートを押すと書きこみ開始。

  4. Windowsのセキュリティ機能で書きこみ阻止される場合は、セキュリティ機能を一時的に止めておくか、警告発生時に許可を選択するとよい。


実際に起動してみる

USBメモリを挿しこみ、PCを再起動すれば起動します!!


以下の設定は必要と思うので確認するとよいです。

  • PC起動時、F2キーなどでBIOSに入り、ブートオプションでUSBの優先順位を上げる。または、毎回ブートメニューでUSBを選択する。
  • Secure BootがEnableだとUSBブートできない。Disableに変更する。
    • ただし、Disableだと今度はWindows起動時にWindowsのディスク暗号化機能であるBitLockerの回復キー入力を求められる。


興味のある方は、試してみてください^^


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